かつて恋人だった、元カレや元カノからのしつこいLINEやメール、それから言葉での脅迫や誹謗中傷…こういったものはとにかく放置して、「ほっとけばそのうち彼も落ち着いて新しい恋を見つけるだろう」などと思いたいところですが、元カレ・カノからの嫌がらせを放置するのはとっても危険なのです。

今回は、元カレ・カノからの嫌がらせで多い被害の内容と有効な対策方法について解説します。

元カレや元カノからこんな嫌がらせを受けていませんか?

あなたは今、元彼氏や元彼女からこんな嫌がらせを受けていませんか?

メールやラインが何十件も届いて精神的に追い詰められている

別れ話のもつれから元彼が感情的になって歯止めがきかなくなってしまい、彼女に執拗にメールやLINEを送りつけてくることがあります。この被害は多発しています。

メールの内容はいろいろですが、「絶対に別れたくない」といった直接的な内容だけでなくて、「裏切るなら死んでやる」、「裏切るならそれまであったことを全部ばらしてやる」というような脅迫めいた内容のメールが送られてくることもあります。

別れようと思っているのに脅迫されて関係を清算できない

元彼と別れて新しく彼氏ができたり、結婚したあとで、つい出来心で元彼と関係を持ってしまった人もいるかもしれません。

その時の写真や動画、やり取りをしたメールなどを保存していた元彼から、「自分との関係を清算しようとするなら新しい彼氏や夫にこれを送りつけるぞ」と脅迫されるという被害を受けている人もいます。

それによってますます抵抗できずに、ズルズルと関係を続けてしまい、さらに脅迫される材料が増えてもうどうしようもなく悩んでしまっている人もいるでしょう。

中には、実際に今の彼氏や夫の会社に動画や画像を送りつけられたという人もいます。

勝手に情報を抜き取られた・誹謗中傷を拡散されている

自分のSNSやブログ、携帯電話に保存されているメールなどを勝手にハッキングされて、プライベートな内容を元彼に抜き取られてしまったあとで、その情報を元彼のSNSなどにさらされるという被害も出ています。

メールの内容やプライベートの情報は基本的には他人には知られたくないもの。

それなのに、悪意ある人(元彼)から自分の周りの人にばらまかれてしまうのは非常に精神的にショックが大きいものです。

元カレの嫌がらせに反論したら、それを逆手に被害届を出された

「元カレからモラハラを受けていた」「元カノが付き合っている間に他の男と浮気していた」「元カレがお金を貸したのに返してくれない」など、元交際相手が事実ではないことを、あることないこと周りの人に事実かのように拡散して、相手の評判を落とすようなこともあります。このケースも、やはり受けるストレスは非常に大きなものです。

それに自分の周りの人に、事実と全く違うことを本当のことだと思われてしまっては、とてもではありませんが日常生活を平常心で続けて行くのは難しいでしょう。

周囲の人にどう思われているのか気になって眠れなくなったり、精神的に追い詰められてしまって仕事に支障を出してしまったりする可能性もあります。

このときに、元彼に対して感情的なメールを送って反論したくなるのは当然です。

しかしこのような嫌がらせをしてくる元彼は、もはや話が通じる相手ではなくなっているので、反論が彼にとって効果を出すことはほとんどありません。

反論されてしまえば元彼はそれを逆手にとって、ひどいときには「自分が」被害を受けた、嫌がらせを受けたと判断して警察に被害届を出すこともあるのです。

そうすると、本当は彼女の方が嫌がらせを受けたにもかかわらず、警察からしてみれば被害者は元彼だということになってしまいます。

本当は彼女の方が被害者なのに、加害者として警察にマークされるなんておかしいですよね。

「とりあえず放置しておけば落ち着くだろう」は危険

こういった被害を受けて悩んでいる人は後をたちません。できれば元交際相手との関係を完全に断ちたい、またはこういった脅迫や嫌がらせをなんとかしたいと思ってはいるものの、下手に相手を刺激してしまうと余計嫌がらせがひどくなってしまうのではないかと恐れてしまう人もいます。

とりあえずおとなしく様子を見ておいて、元交際相手の攻撃が落ち着くのを待った方が良いのではないかと問題を先送りにして、被害を最小限に止めようと思っている人も少なくないかもしれません。

もしくは、自分が受けている被害は誰に相談したらいいのかわからない人も少なくないでしょう。

こういった元交際相手からの嫌がらせは非常にプライベートな内容を含んでいますし、人によってはこのような相手を選んでしまった自分に非があるのではないか、関係を持ってしまった自分がダメなのではないか、というように自分を責めてしまって、なかなか解決法を選ぶことができない人がいます。

しかしこういった対応をしていても、元交際相手からの嫌がらせは解決しません。

それどころか図に乗ってエスカレートする可能性もあるので、一刻も早く何らかの対処が必要なのです。

元カレや元カノからの嫌がらせは犯罪になるか

まず、元カレや元カノからの嫌がらせに対処するためには、自分が受けた被害が犯罪行為にあたるかどうかを確認しておくことです。

警察に相談に行くとしても、警察は元彼の嫌がらせが犯罪にあたることがはっきりしていなければなかなか動いてくれないことがあります。

よくある元カレや元カノからの嫌がらせ被害の例がどういった犯罪に該当するのかをチェックしてみましょう。

なお、本当に犯罪に該当するかどうかと言うのは一律に判断できることではなくてケースバイケースになってしまううえ、被害の程度や相手の行動の過剰性などによっても判断されますので、これはあくまで1つの目安として考えてみてください。

執拗にメールを送りつけてくる

執拗にメールを送りつけてくるという行為は、ストーカー規制法に違反する可能性があります。さらに、メールの中で「今からお前の家に行く」、「こんなことしてどうなるかわかっているのか」などと、相手に危害を加えるような内容の文面が入っている場合には、脅迫罪(刑法222条)にあたる可能性があります。

性行為や交際の継続を強要する

つぎに、関係の清算をしたいと言っているにもかかわらず、無理やり関係の継続を強要し、性行為の画像や動画を撮ってそれをネタにして関係の継続をさらに強要してくることがありますが、この場合も脅迫罪に該当する可能性があります。また、性行為を強要するという行為は、場合によっては強姦罪(刑法177条)が成立する可能性も否定できません。

勝手に個人情報を抜き取られて拡散された

元交際相手が持っているSNSのアカウントや掲示板、携帯電話に保存しているメールやLINEの情報を無断で抜き取り、そこで得た個人情報を勝手にSNSや掲示板などで拡散された場合、これは被害者の社会的評価を下げる行為として、名誉毀損罪(刑法230条)に当たる可能性があります。

また、勝手に情報を盗み出すことは、その程度によっては不正アクセス禁止法に抵触し、不正アクセス罪にあたる可能性があります。

このほか、これは犯罪ではありませんが、プライバシーの侵害とし慰謝料や損害賠償を請求することも考えられます。

職場や家まで乗り込んできた

また、職場に乗り込んできたり、職場のあたりをうろうろしたり、家まで付けてくる、というような行動は執拗にメールを送りつけるのと同じで、ストーカー規制法に違反する可能性があります。

このように、自分が受けている被害が何らかの犯罪に該当するのであれば、警察でこういった犯罪の被害を受けていると相談することによって、よりしっかりと警察のサポートを受けることができます。

元カレ・カノからの嫌がらせを早急に終わらせるための対処法

対処法①弁護士を間に入れて民事訴訟や刑事告訴すると警告を与える

仮に、元交際相手からの嫌がらせが犯罪行為にあたるとして、警察に逮捕してもらうことができるとしても、やはり元恋人を犯罪者としてしまうのは気が引ける人もいるでしょうし、大事にして逆恨みであとで別の被害にあうのではないかと心配する人も多いことでしょう。

そこで、間に当事者以外の第三者を入れて、これ以上嫌がらせを継続するのであれば、警察に被害届や告訴状を提出したり、民事で訴えると警告を出す方法が考えられます。

嫌がらせがあったからといって直ぐに警察に逮捕をお願いしたり、訴訟を起こすのではなく、一旦相手方に嫌がらせをやめるよう考える機会を与えることで、後々逆恨みされないようワンクッション置くためです。

また、当事者同士でこのような警告を与えることは逆に元交際相手の感情を逆撫でして逆効果になりかねないため、必ず間に人を入れるべきですが、

警察に相談をせず、当事者同士で話し合って示談にするという解決方法もあります。これは、元カレ・カノの嫌がらせが犯罪行為にあたらないので警察に相談に行っても意味がないときや、警察沙汰にまではしたくないが問題を解決したいというときに有効な手段です。

警察に行っても意味がない場合というのは、たとえば先ほどのプライバシーの侵害などです。

勝手に元恋人の職場や自宅の住所をSNSで拡散した、自分しか知らない彼女の悩み事を拡散したような場合は、彼女のプライバシーが侵害されています。

プライバシーの侵害は法律で犯罪として決められていませんので、警察に相談しても警察は動くことができません(状況や程度によっては、名誉毀損罪やストーカー規正法に該当する場合もあります)。

しかし、プライバシーは大事な権利として認められているので、この権利を侵害したということで民事上の責任を追及することができるのです。

たとえば、精神的苦痛を受けたことを理由に慰謝料を請求したり、損害賠償を請求したりといったことができることになります。

このように警察に相談しても解決が難しいものについては、民事裁判を起こしてもいいのですが、その前にまず当事者同士で話し合うのが一つの方法です。

示談交渉は弁護士を入れた方が解決が早い

しかし当事者同士で話し合うにしても、なかなか簡単ではありません。先ほども少し触れましたが、元彼が感情的になっているなどの原因で話し合い自体が難しい状況であることが少なくないのです。

それに被害を受けている彼女としても、そんな嫌がらせをしてくる元彼とはできるだけ直接会いたくない、話したくないと思うことでしょう。

会っても冷静に会話ができる、ましてやこの問題を二人で協力して解決に向かって進むのは、とても難しいというよりも、ほぼ不可能と言ってもいいでしょう。

そこで有効な解決策として、弁護士を立てて弁護士に示談交渉を任せるという方法があります。

弁護士は自分の代理人として動いてくれますので、自分が元交際相手に会う必要がありませんので、自分は弁護士とだけ話をすればよく、元交際相手との交渉は弁護士が動いてくれるのです。

また、元交際相手も弁護士を立てることもあります。お互い弁護士を立ててしまっては争いが長引くのではないかと心配する人がいますが、実はお互いが弁護士を立てたほうが返って解決に向けて進みやすいのです。

弁護士は代理人ではありますが当事者ではありません。ですから、冷静に問題を見ることができます。その上で、依頼者にとってどういった解決がベストなのかを冷静に判断することができます。

また、当事者の弁護士同士がお互いに冷静に話し合うことができるため、仮に当事者同士の利害が一致しなかったとしても、解決に向けてどういった方法が妥当なのかということを冷静に話し合うことができます。

 

 

ラインやメールが執拗に届くなど、元彼からの嫌がらせに対しては、基本的には警察に相談に行くことが最優先です。しかし警察がなかなか動いてくれないこともあります。その理由は大きく2つです。

民事不介入の原則

警察が動いてくれないことの理由の1つとして、「民事不介入の原則」というものがあります。警察はあくまでも犯罪行為に対して対処してくれる機関なので、当事者同士の争いなど犯罪ではないものに関しては介入してくれません。元彼からの嫌がらせで被害を受けているとしても、単なる痴話げんかだと思われてしまったら、「警察で対応できる事はありませんよ」と帰されてしまうこともあるのです。

証拠がないと動いてくれない

また、警察はある程度確実な証拠がないとなかなか動いてはくれません。これは当然のことで、被害者からの一方的な説明を聞いた警察がそれをすべて鵜呑みにして動いてしまえば、言ったもの勝ちになってしまって社会秩序が乱れてしまいます。

そうならないよう、警察が動くときにはしっかりとした理由が必要になるのです。具体的には、その行為が犯罪だということが客観的にわかる証拠が必要になるということです。

例えば自分が執拗にメールを送りつけられて、精神的に参っていると警察に相談をしたとしても、その送られてきたメールを「気持ちが悪いから」といって全て捨ててしまって携帯に残っていなければ、警察が動いてくれることは難しいでしょう。

②警察にいくときに弁護士に同行してもらう

中には証拠が整ってないので対応が難しい、と警察から言われてしまうこともありますので、警察がなかなか希望しているようなサポートをしてくれないときには弁護士を呼びましょう。そして、弁護士に同行してもらって警察に行きましょう。

実は、個人的に警察に相談に行くのと、弁護士同行して警察に行くのとでは、丸腰で戦うのと武器を持って戦うくらいの大きな違いがあるのです。

弁護士を同行させることで、この件に関して自分が本当に困っていることや、何としても解決させたいと思っていることが警察にもはっきり伝わります。

警察からすれば、まずは弁護士が被害者の話をしっかりと聞き出して、それが犯罪に当たる可能性があるということを弁護士が判断しているだろうと考えます。

それに弁護士は交渉と法律の専門家ですので、こういった警察との交渉事にも長けているというメリットがあります。